東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドは、18歳以上の入園料を4月1日から6900円から7400円へ500円の値上げを行うことを発表しました。
「新アトラクションやショーのリニューアルなどでパークの価値が向上したから」
という説明ですが、アルバイトの時給アップも検討しているようなのでその資金調達とも考えられます。
しかし残念ながら、時給が上がっても近年低下を続ける顧客満足度は上がらないでしょう。
そんな単純な話じゃないはずなのです。
オリエンタルランドといえば顧客満足度が高いことで有名ですよね。
でも、もうこれは過去の話なのです。
「日本版顧客満足度指数」(サービス産業生産性協議会)では長年上位にランクインしていましたが、近年は満足な結果を出せておらず2015年にはトップ10からも外れてしまいました。
この原因は”混雑”や”アルバイトスタッフの待遇の悪さからの接客力低下”と言われています。
ここ数年で首都圏の平均時給が上がったことで、時給1000円のオリエンタルランドは平均を下回ってしまっているのです。
高い時給を求めて人材が他社へ流れてしまっている為、穴埋めで学生アルバイトを大量に採用した結果接客力が低下し、顧客満足度も低下してしまったのだというお話しです。
たしかにこれも一理あるでしょう。
でも、だからといって時給を多少上げたところで状況が大きく改善されるとは思えません。
時給を上げてアルバイトを増やせば解決する問題もあるでしょうが、それでは根本的な解決にはなりません。
これまでオリエンタルランドは現場スタッフの高いホスピタリティーで支えられていました。
その高いホスピタリティーはどこから生まれていたのかというと、
最高の接客は最高のモチベーションから生まれていたのです。
そのモチベーションがどこから生まれていたのかというと、決してお金だけの問題ではなかったのです。
僕の知り合いが以前ディズニーランドでアルバイトしていたのですが、そのときの彼は
「ディズニーで働くことに誇りをもっている」
「ステータスだと感じる」
と話していました。
”ディズニーで働く”ということに価値を感じていたのですね。
彼の口から「時給が高くて稼げるから」なんて言葉は一度も聞いたことがありません。
そんなことはどうでもよかったのでしょう。
時給が高いから最高の接客をするのではなく、ディズニーで働くことがうれしくて自然と最高の接客ができていたのです。
こう考えると時給をアップすれば人は増えるかもしれませんが、ホスピタリティーが上がるとは思えません。
むしろ時給目当てで働くスタッフが増えて接客レベルが下がりそうな気すらします。
「時給が他より100円高いから、100円分素晴らしい接客をしよう!」
なんて考える人いると思いますか?
日本人は基本まじめなので、時給800円だろうが1200円だろうがお客様を前にすると自分のできる最高の接客をしようとするものです。
「時給が安いからやってられない」
ということを愚痴で口にすることはあっても、
「時給が安いからその分接客レベルを下げよう」
と考える人はいないのです。
つまり時給を上げてもホスピタリティーは上がらず、顧客満足度も大して上がらないと思うのです。
オリエンタルランドが今やるべきことは、ディズニーリゾートをもっと魅力あるものにし、そこで働くことを夢見る人間を増やすことではないでしょうか。
その為に入園料を上げてお金を投資するのならいいと思います。
個人的に特別ディズニーが好きなわけではありませんが、夢の国はスタッフにとっても夢の国であって欲しいですね。
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